激しい競争の中で飲食店が生き残るためには、一定以上の売上を確保するため、集客を図る必要があります。最近では広告費をかけて新規客を集めるより、リピート客を増やして店とのつながりを深める方がより効果的といわれています。
そのための手法として、モバイル販促ツールが注目されており、導入することで売上アップに成功している飲食店が増えています。今回は、飲食店の導入事例を一例ご案内します。
モバイル販促ツールの一つである「Monaca」で会員登録数を増やし、売上アップに成功した飲食店があります。
会員登録を促すために活用したのがMonacaで作成できるPOPです。これを店内の壁や各テーブルに設置して、会員登録することですぐにクーポンが使えるという情報をお客様の目に触れるようにしました。
その結果、A店では毎月300人以上、多い月は600人近くの会員を獲得しました。今では7000人を超える総会員数を獲得しています。店舗に好意を持つ7000人超に対してピンポイントで告知できるため、やみくもに広告を打つよりも効率的といえます。また、ツール導入後の直近6ヶ月で月平均50万円、時には80万円ほど売上がアップしました。会員獲得が売り上げにも良い影響を与えたのではないでしょうか。
A店がモバイル会員の登録者数を増やすことに成功したポイントは二つあります。一つは接客時にモバイル会員に登録をすることで「いますぐ利用できるクーポンが貰える」というメリットを必ず伝えたことです。POPを見て関心を持つものの登録には至らないお客様が多いため、スタッフから直接メリットを伝えることで会員登録を促したのです。
もう一つは「PDCAサイクルを回す」ということです。PDCAとは以下の言葉の頭文字から取ったもので、この4つを順番に繰り返し回していくことがポイントです。
まずは目標を明確化します。会員獲得に対するスタッフ1人1人の目標数値と達成度がわかる表を掲示し、いつでも状況を確認できるようにします。
次に会員獲得を実行します。来店時ではなく飲食中にクーポンを持っているか確認し、持っていない場合にはオーダーしている内容を確認しながら今日使えるクーポンを具体的に説明します。
あわせて会員登録用POPを渡します。この裏面には会員登録のメリットや登録手順を記載します。クーポン利用のメリットを実感できるタイミングに声をかけ、さらに目でも確認できるよう工夫をします。
さらに登録を勧めたスタッフが、登録完了しているか、再び声をかけるようにします。この追いかけを徹底することで、確実に会員登録へと導く努力をしています。
会員獲得を実行しながら目標の達成状況をスタッフ間で共有し、互いに競いつつ評価し合える仕組みづくりをしていきます。会員獲得が得意でないスタッフが獲得した場合には、ほめることが大切です。また、店内で獲得ランキングを発表し、優秀者を評価するMVP制度を設けることで、スタッフ自身が結果を振り返りながらモチベーションを上げることができます。
成績が良かったスタッフの会員登録のすすめ方の共有、ロールプレイング、時には実際の接客をサポートするなど、会員獲得が苦手なスタッフをフォローするようにします。そうすることで会員獲得が得意なスタッフも復習をすることができます。また、蓄積したノウハウを店舗全体に共有でき、さらに高い成果へとつなげていくことが可能です。
A店はただPOPを置くだけはなく、店舗全体で会員獲得に向けた努力を日々重ねることでより多くの会員を獲得し、売上にも貢献できたということです。